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音読の力?英語学習をより効果的にして、記憶定着力を上昇させる音読の秘訣とは?

2021年12月20日
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英語学習者ならきっと聞いたことがある方法に「すべての教材はかならず音読する」というものがあります。

職場の休憩室などでは迷惑ですし、家に帰っても家族の手前恥ずかしいと控えめになってしまう人も多いでしょう。

とはいえ、私は断然音読推奨派です。

むしろ、まともな英語の勉強よりも毎日、CNNなどの記事を音読するなかで英語力の基礎が形成されてきた気がします。

「音読はちょっと恥ずかしい」という人も「ああ、こんな効果があるならやってみよう」と思えるように、今回は、英文音読のメリットをさらに大きくするためのアイデア集をお届けします。

 

音読の効果とは?

最初に、英文の音読をつづけることによるメリットをまとめます。

 
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読み飛ばさない

ある程度英語がわかる段階の学習者が英文を目の前にして「ざっと理解しよう」としたとき「あれ、何も頭に残らなかった」ということがあります。

個々の単語も文章も理解できるんだけれど「つまり、どういうこと?」と考えたとき???となってしまうケースです。

これは恐らく、日本語と英語の性質の違いによるのではないかと思います。

漢字仮名交じりの日本語の大きなメリットは「字面を読みやすい」点にあります。

ネット上の600字ぐらいある文章を文字通り斜めに10秒ぐらいで通過しても、なんとなく理解ができます。

多くの場合、日本語は文章中の大事な部分は漢字やカタカナで書かれているので、そこだけ拾えば最低限「何について書かれているか」はわかるわけです。

英文がベタで書かれている場合、このような一瞬でわかる部分がないため、読み飛ばさずに順序追っていかないと大意も理解できません。

音読の最初のメリットは、大事な部分を読み飛ばすリスクが大変に少ない点にあります。一つのパラグラフ(段落)が断片の集合ではなく、ひとつながりのロジックとしてとらえることがより容易になります。

黙読よりは若干時間がかかりますが、読み飛ばしなく全体のつながりを確実にふまえるなかで、「ざっと理解できる」率が高くなり、結局効率的な気がします。

 
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発音を確認できる。スペルもおぼえやすい

たとえば、ちょっと長めの単語、extraordinary(とても珍しい)やimmediately(ただちに)などを、記憶に定着させて使いこなせるようになるのはむずかしいものです。

ちょっと英語になれはじめた人の場合、最初は辞書で調べて意味を知り、何回か見聞きしているうちに「あ、あれね」と理解できるようになりますが、実際に会話で利用しようとしたり、英文のなかで使おうとすると「あれ?どうなってたっけ、あのエクストラなんとか?!」と単語の前半しかおぼえていないと気づくケースもあります。

英文音読のメリットは、それぞれの単語をきちんと頭からお尻まで発音するなかで、すべての文字と発音が、口と頭を通過する点にあります。

頭のなかに定着していない段階では「えくす・とら・おー・でぃ・なり」と目で見た文字を音に変換して発語するするというプロセスになります。

extraordinaryという単語を目で見え「あ、あれね」と通過するよりもはるかにあなたの口と頭に与える負荷が大きく、そのため記憶への定着率も高くなります。

また英文のなかで使うときにも「えくす・とら・おー・でぃ・なり」という音を頭のなかで再生すれば、正しいスペルに到達するのも比較的に容易になるわけです。

 
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慣用句が自然と口をついて出る

英語を流暢に(fluentlyですね!)にしゃべれるようになるということは、言葉を変えれば考える部分が減るということでもあります。

ネーティブとの会話のなかで「この場合主語が1人の女性だから三人称単数で語ることになり動詞のinterestにはsをつける。いやいや、interestの意味は『興味をもたせる』だから、受動態にする必要があり、she+三人称単数のbe動詞を示す’s+insterestにedをつける。つまりShe’s interested in…の構文で喋るのだな」と考えていたら、話題はとっくに変わっているでしょう。

(ま、私はいまでもしょっちゅうShe don’t と言ってしまうのでエラそうなことも言えないのですが)

会話が流暢になっていくためには「考えなくても発語できる英語の塊」の数が増えて主語や述語を入れ替えていくだけで会話が成立するプロセスを経験する必要があります。

Thank you.と言われると日本人はたいていYou’re welcome.と応えますがThe pleasure is mine. と言うとかなりかっこいいです。

Have a good day. と言われたらYou too.というのですが、これもなかなかすぐには出てきません。ちなみに、私がいままで聞いた、このパターンのサイコーにカッコいい返しはLikewise.というものです。

「英語が自然に口をついて出る」ようにするには「日常的に英語を口にする」しかないでしょう。

ニュース記事だけでなく、小説なんかも毎日少しずつ音読すると会話に使われる自然な表現や慣用句が少しずつ使えるようになるようです。

 
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リズムで英語をおぼえられる

たとえばTOEICの文法問題などにも音読は役に立ちます。

問題文を何回か(回数は多いほどいい!)音読しているうちに、英語表現がリズムで感じとれるようになります。

この練習を繰り返していると、ときに「この文法問題の答えは理屈ではわからないけれど、リズムからすると、この単語を入れたくなる」という感じになるものです。

実感値として、こう感じたときには70%は正解です。残りの30%はほとんどが引っかけ問題です。

このように英語に関して理屈と知識だけでは追いつかない「感覚的に理解する」という部分をぐんと強化してくれるのも音読のメリットの一つといえるでしょう。

 

音読をさらに効果的にする「声を出して読む」の仕方とは?

このように音読は目だけで英文を追うよりも体で感じて自由に使いこなせる効果がありそうです。

ただ、このためにはNHKのニュースのように平坦に音読するのはあまりおもしろくありません。思い切り強調したり変化をつけたりすることで、より身につけやすくなります。そのためのアイデアもいくつか紹介しましょう。

 
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早く読んだり、遅く読んだりする

学習をはじめて、まだ日が浅い時期には、とにかくゆっくりゆっくりと音読するのをおすすめします。

waterをワラなんてかっこつけては読まないように。wで唇を丸めてtで舌先が歯にかすり最後のrで舌が喉奥で丸まるまで意識しましょう。

英語を学習したりネーティブの人と会話をしたりするなかで、日本生まれ日本育ちの私には絶対にネーティブの発音は獲得できないと確信しました。

その視点でふり返って見るとtwentyをトウェニなんていうよりも、ちゃんとトウェンティーと発音した方が通じたような気がします。

(ちなみに単語を何度発音してもSorry?と言われてしまうときには、スペルで説明することです。twentyをトウェニと言ってもトウェンティーといっても通じないときにはt-w-e-n-t-yと言えばいいのです)

「下手くそなネーティブイングリッシュ」よりも「しっかりとしたジャパニーズイングリッシュ」の方が、絶対いい。そのためには、単語一つ一つをていねいに発音し、ゆっくりと発語する習慣が役立ちます。

少し慣れたら、同じテキストをものすごく早く読む練習をしてみるのもいいでしょう。これはこれで、英語をリズムでキャッチして、上で挙げたような慣用句を記憶のなかに定着させる意味で大変に効果的です。

 
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文のなかでも強弱をつけスピードにも変化をつける

音読に関して、よく「感情を込めて発声しましょう」という人がいます。

正直言って、最初は意味がわかりませんでした。

Early Omicron Reports Suggest the Variant Is Fast Moving, but Less Severe

なんていう文章をどうすれば感情込めて語れるでしょう?(ちなみに、これはこの原稿を書いている日のThe New York Timesウェブ版トップニュースです)

でも少しずつわかってきたのは「よくわからなくてもいいから、スピードに変化をつけるといい」ということでした。

深く考える必要はないので、早く単調に読む部分と噛みしめるように読む単語をわけてみましょう。

この文でしたら、suggest あたりを強調すると格好よく読めそうですが、意味はあまりないですね!話が伝わりやすくなるために強調するといいのはfastとlessなのかなぁ、と試行錯誤しながら文意をとらえて、ふさわしい速度チェンジを獲得することが、会話力上達にとても役立つと思います。

 
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○○っぽく発音する

多くの日本人に共通する課題は、一生懸命正しい英語を話そうとして、地味で平坦な発音になってしまうことじゃないかと思います。

私も同じで一生懸命感情込めて話したつもりが、録音して聞くとお通夜のようにボソボソとしていて愕然とすることの連続でした。

あるときに感じたのは、なりきるしかないということです。

映画スターでもタレントでも政治家でも構いません。あなたがクールだと思うネーティブスピーカーのイントネーションの付け方をマネしながらニュースなどの音読をしてみましょう。

おすすめなのは、コメディアン。ためて→話すという技術にすぐれているので、効果的に話が伝わります。英語プレゼンテーションの練習などには最適だろうと思います。

ちょっと古いですがエディ・マーフィーの映画などを見て、そのイントネーションを丸ごと盗みとる練習をすると、あなたの英語はかなり引き立つことでしょう。

 
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鏡で見る、録画してみる

英語を単なる知識で終わらせずビジネスシーンで生かすツールにするために必要なのは「自分を知る」ことでしょう。

よくある笑い話「会話を録音すると、ほかの人はちゃんと録れているのに自分だけは変な声になってしまう」。

実際、普段聞いている(自分では、この声で話していると思っている)声と他の人に聞こえる声はかなり違っている場合が多いようです。

自己イメージと現実に相手に与える印象が異なっているのは、ビジネスの世界ではマイナスです。

だからこそ自分が音読している姿を鏡で見たり、PCのカメラで録画したりして、自分が求めるイメージに近づけていくのは意味があります。

音読は、単に英語力だけではなく、自分自身のイメージ向上にも役立つものだと思います。

 

🦉まとめ:めざせ、エディ・マーフィーのインパクト!

 

「英語を学ぶ」ということは「英語の伝え方を学ぶ」ということです。

でも、ときどき人は「伝える」「伝わる」を忘れてしまうことがあります。

とりあえずスピーキングで「伝わる」英語をめざすには「伝える」努力をするのがすべての出発点になるでしょう。

そして、自分自身で考えて「伝える」「伝わる」能力を挙げていくためには、とにかく発声する量を増やし、録音などで自分の英語を見つめ(聞き)直して、ブラッシュアップしていくのが最短距離ではないでしょうか?

たしかに家族がいる家のなかで大きい声を出し演技力たっぷりで音読するのは恥ずかしいし、その声を聞かれたらどうしよう!と思うと声がどんどん小さくなるのもわかります。

とはいえ「恥を捨てる」というのも英語の学習段階ではとてもたいせつなことです。

自分がどんな声と発音で話しているか知れば、実際にネーティブスピーカーと話すときに声が小さくなってしまうこともないでしょう。

録音して聞き返してみて「クールじゃないなぁ」と思っても、そのときは「ああ、まだこんなに伸びしろがある」とモチベーションにしちゃえばいいのです。とにかく声を出してみましょう。

 

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