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VERSANTの時代がやってくる?

2022年03月5日
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なんか最近、英語教育の周辺ではVERSANTという言葉を聞くことが増えてきました。「採用や昇進試験でVERSANTを使う会社が多いらしいぜ」「TOEICのスコアを上げても一向に話せないし、これだけじゃ就職もできないから、VERSANTに切り替えます」・・・など。ビジネス英語を学ぼうとしている人には大いに注目されているようです。

VERSANTという英語検定。私の場合、正直言って、これまで名前以上にはあまり注目したことのないものでした。でも、それだけ注目されているとなると、これは調べてみるしかないでしょう。

ということで、以下、混迷の時代にどうやってVERSANTを生かして英語力を仕事に生かしていけるか?入門編です。

by 英語学習オタクの通訳案内士&ライターのTak

 

VERSANTとは?

VERSANTテストは、英国に本拠を置く世界的な教育サービス会社Pearson社が提供している英語検定テストです。スピーキング/ライティング/プレイスメントの3種類のテストがありますが、もっとも有名なのはスピーキングテストなようです。英語を母国語としない受験者が対象となり、文章構文、語彙、流暢さ、発音の4つの項目で測定されます。その習熟度は20~80のスコアで示されます。日本では日本経済新聞社が代理店として提供しています。

VERSANTテストには以下のような特徴があるようです。

 
💻
AIと音声認識システムによるオンラインテスト

マホやパソコンがあれば24時間365日でどこでも受験できます。スピーキングテストは約20分で終了し、自動採点された結果はすぐに見ることができます。

 
🗣
英語を聴いて英語で反応する能力が測定される

スピーキングテストの問題はすべて英語音声で出され、英語会話で回答します。これにより発話をリアルタイムで理解し、的確に処理する能力=英語コミュニケーション力を測定できます。

 
🌍
世界標準の指標に対応

VERSANTの結果は20~80点のスコアで評価されます(日本人のスコア平均は38)。このテストはA1~C2で示されるCFER(ヨーロッパ共通言語参照枠)に対応していて、CFERと照らし合わせて自分の会話力を国際水準によって確認できます。

 

人気の秘密は?

ここへ来て日本のビジネスシーンでVERSANTが注目されるようになった理由。それはなんといっても「実際に英語を聴いて・話す」能力が測定できるということのようです。

公式サイトには練習問題があって聞くことができるので試してみてください。出題者は、まるで日本語スピーカーに嫌がらせをしているように早口のネィティブ英語を使います。TOEIC®L&Rテストのリスニング問題のようにテンポを遅くしてくっきりと発音することなく、まるでニューヨークの証券会社の上司が部下を詰めるような(個人の感想です)ネィティブ感あふれる英語で話します。

つぎつぎとたたきつけられるネィティブ英語にどれだけ食らい付いて、正しいリアクションできるかがわかる、というのが現在のビジネスシーンのニーズと合致したのではないかと思われます。

 

テストの内容は?

VERSANTスピーキングテストは約20分間で行われます。この間に63問に回答するという緊張感あふれる設定になっています。内容は6つのセクションに分かれ、以下のような内容になっています。

A 音読8問

画面に現れた文章を指示されたように読み上げ「流暢さ」と「発音」が診断されます。

 

B 復唱16問

音声として流れる英文を、発言者の言葉どおりに繰り返します。「文章構文」「流暢さ」「発音」を診断。

 

C 質問24問

与えられた質問に、質問で使われた単語を使ってできるだけシンプルに答えます。「語彙」を診断。

 

D 文の構築10問

順序を変えて与えられる複数の単語の順序を変え正しい文章にします。「文章構文」「流暢さ」が診断されます。

 

E ストーリーリテリング3問

与えられた短い物語を自分の言葉で内容を短くまとめます。「文章構文」「語彙」「流暢さ」「発音」を診断します。

 

F 自由回答2問

簡単な質問が与えられ、それに対して回答と理由を述べます。

 

テスト対策はどう立てる?

2022年3月4日現在、Amazon.co.jpの書籍を「VERSANT対策」で検索したところ直接試験対策に使えそうなのは、なんとKindle本が1冊あるだけでした(「最強のVERSANT攻略法: 3ヶ月でVERSANTスコアを10点上げる方法 翻訳のプロが伝授するシリーズ Kindle版/中村 友彦」 また「VERSANT 受験対策 スクール」でGoogle検索したところ対策コースを設置しているオンライン/通学タイプの英語スクールは数校あるだけのようです。

この事実が示すのは、現時点VERSANT試験対策方法はまだ確立していないということでしょう。

そんななかで、VERSANT受験者はどのような形で準備できるか、考えてみました。

 
💡
対策の多くはリスニング力強化に充てる

前述したようにVERSANTスピーキングテストの出題は、情け容赦ないネィティブ英語で出されます。質問を聞きとれなければ、正しく回答できるはずもありません。とくにビジネス英語にターゲットをしぼり多く聴いて内容をつかむトレーニングをしましょう。BBCなどの海外ニュースサイトを利用して繰り返し聞き、完璧に聴きとれるまで繰り返すことをおすすめします。

 
💡
日本的な発音は徹底的に矯正しろ

VERSANTスピーキングテストの問題構成を見ると発音に大きな比重が置かれているのがわかります。よくありがちな日本的な発音(LとR、VとB、SとSHの混同など)を発声するたびに減点されていきそうです。完璧な発音に自信のない人は可能ならネィティブスピーカーに発音チェックをしてもらい、必要な場合はフォニックス読みからやり直してみてはいかがでしょう。

 
💡
複雑な構文を使わず、シンプルに考えを伝えるトレーニングを行う

VERSANTスピーキングテストの内容を見ると複雑な概念や専門的な知識を求められる内容は少ないようです。また、AIが判断するので関係詞や倒置法を多用するような複雑な構文は意図通りの判定が得られない可能性がありそうです。

むしろ普段から、基本5文系(SV/SVC/SVO/SVOO/SVOC)が見えるようなシンプルな文に沿って話す訓練をしておけば高得点に結びつきそうです。

思いつくばかりの対策法を並べてみましたが、結局、現時点でできるのは「基本に立ち返り、ネィティブ英語を正確に聴きとり、正しい発音と構文で、それに対するリアクションをするというきわめて正当な英語の学習をつづけるしかないということになります。いわゆる受験上手な人たちには対策法が確立されていないのは不安でしょうが、最近のビジネスシーンでVERSANTが重宝されているのは、むしろ王道以外に対策法がないという理由によるものかもしれません。

と、

ここまでまとめて、

突然、思い出しました。

私、VERSANTスピーキングテストを受験したことがありました!(衝撃の展開!)

5年少し前、ということは現在のVERSANTスピーキングテストではなく前身にあたるものだと思われます。ある会社で英語ガイドの研修を受けさせていただき、そのなかでスキルチェックとして受験したものでした。現在はWebベースで行われるのですが、当時は電話を使っていました。

電話機が1台置かれているだけの会議室に待機していると、センターから電話がかかってきて、試験がはじまるというスタイルだったと思います。試験内容の詳しい説明がなくはじまり(と、言い訳をしておきますが・・・)、受話器から聞こえる英語がやたら早口で???となったのをおぼえています。現在のB 復唱にあたるところでは、幸い質問の意味はわかったのですが、リスニングに集中するあまり、相手の声が終わるときには文章の最初の方を忘れてしまい???となってしまいました。

かなりキツイ研修が毎日つづき疲れていたせいもあるのでしょうが(と、さらに言い訳しますが)状況をコントロールできず、しどろもどろになってしまいました。どこかに結果が残っていないか、探してみた見たのですが幸い(笑)見つからず、たしかTOEIC予測スコアは実際に私がとっていたスコアより100点ぐらい少なかったように記憶しています。

あ~、あれか~。大変だぁ。

私のとぼしい経験から導かれる教訓は、他のさまざまな資格・検定以上に「うろたえたら負け!」ということでしょうか。これはまったく冗談ではなくVERSANTスピーキングテストは、自分はエライ、自分は賢い、自分は英語万能だ、と自己暗示にかけられるポジティブシンキングの持ち主が成功する種類のテストのような気がしています。

 

🦉まとめ|英語は度胸だ!胸張って大きな声でVERSANTに勝て!

という話をしながら、もう一つ思い出したこと。全国通訳案内士の二次試験(面接)を受ける前に、有名な英語教師の方とお目にかかる機会があり「全国通訳案内士の一次を通ったんです」「じゃ、二次の模擬面接をしてみましょうか」「(何か質問)」「(何か答えようとする)」と「ダメダメ声が小さい!それだけで印象が悪いです」と指摘されたことがありました。

自分自身の失敗談からかんがみて、VERSANTスピーキングテストも同様な気がします。日本語話者のかなり多くには「早口の英語をまくしたてられると、うろたえて普段の半分も話せなくなる」という弱点があります。VERSANTスピーキングテストでも、早口でまくし立てるニューヨークの証券会社の上司のような英語(個人の感想です)を耳にした途端、普段のパフォーマンスを半分も発揮できなくなるという種類の失敗をしそうです。うろたえて、声が小さくなるとそれだけで発音が曖昧になりスコアが低下する種類のテストだと思われます。

だとしたら、英語力もさることながら自分の心を強くして自信を持って発語する習慣をつけることこそ、最高のVERSANTスピーキングテストの対策かもしれませんね。

VERSANTスピーキングテストに向けて、あなたが英語に自信をつけるためには、きっとLearn With Coachの、たいていが英語しゃべれず泣きそうになった貴重な経験あるコーチ各氏がきっと心を強くするたのもしいサポートをしてくれますよ。

 

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