![notion image](https://www.notion.so/image/https%3A%2F%2Fs3-us-west-2.amazonaws.com%2Fsecure.notion-static.com%2F6e0da04c-1258-49a8-a229-744ae2a383b4%2Fthought-catalog-505eectW54k-unsplash.jpg?table=block&id=be6f8b35-12a3-45bb-9001-16a3a739bc7a&cache=v2)
日本の学校に通ってきた人は英語の読み書きは上手だけれど会話が苦手とよく言われます。たしかに、私も含めて発音や聴きとりに課題のある人が多いのは事実です。そのために会話に力を入れて学習するのもうなずけます。
一方で、一部の風潮として「ライティングなんかどうでもいい」という姿勢を目のあたりにすると「んな、あほな」とも思います。
文法的に正しい英語で会話するためには、頭の中で文章の骨格が構築できているのが最低の条件になります。三単現の法則や動詞の活用、形容詞の比較級・最大級などの体系が頭のなかにしっかりとたたき込んだ上で、それを使いこなせるようにするトレーニングを重ねてこそ、はじめてPerfect Englishとネィティブスピーカーからほめていただけるようになるでしょう。
そのためには日記程度で構わないので、日々ライティング練習をするのが大切なんだと思います。ただ、ひとりよがりで終わってしまうと、間違った知識のまま固定されてしまうリスクもあります。
そこでおすすめしたいのがGrammarly。クラウドベースの英文校正アプリケーションによって、コンマやピリオド、定冠詞・不定冠詞の付け方からきびしくチェックを受けながらライティング練習できます。
以下、具体的例を示しながら、ご紹介いたします。
Grammarlyとは?
Grammarlyは米Grammarly Inc. が提供する英文校正アプリケーションです。クラウドベースで展開されており、Windowsアプリのほか、Chrome、Edge、SafariなどのWebブラウザやiPhone、iPad、アンドロイドのアプリでも使えます。
保存不要マルチプラットフォームで利用できる
使用した感じは、マイクロソフト365やGoogle Docsと近いものがあります。英文を打ったら、そのまま保存する必要はなし。たとえば、Windows版で文章を打ちながらスマホのアプリを開くと、その途中経過が現れるという10年前だったら夢のようなシームレス環境で使えます。
無料版と有料版PREMIUMがある
文字通り無料版は完全無料で利用でき、最小限の文法・スペルのチェックはできます。ただ、無料版を使っていると「基本的にOKなんだけどPREMIUMにすると、もっと上手な文章にする提案を20ヵ所ほどしてあげるんだけどね」というようなメッセージが毎度出てきて、うっとうしいので英作文の上達のために私は有料版PREMIUMにしてしまいました。
PREMIUM料金:$12.00/ 月(年間契約の場合)
2021年12月21日のレートでは1,363円。一括払いで$144.00≒16,363円。ちょっと高い気もするのですが、結果から言えば、大正解でした。英文を記入しながら、たえずチェックを受けるなかで、英語的な考え方が実感としてわかる部分も多く、単に実用用途以上の効果があるのを感じています。
では、Grammarlyを使うと、ライティング力をアップするどんな効果があるのでしょうか?以下ご紹介します。
Grammarlyは上下左右からあなたの英文を切り刻む
Grammarlyのすごさをお伝えするために試しに文章を一つつくってみました。ビジネスパーソンの日常にありがちな風景です。
1月11日(火) 今日、私はお客さんのところに行って、来月行うキャンペーンについて会議をした。相手は宣伝部の3人。そのうちひとりに「このイベントは重要だから」と釘を刺された。 今日の議題の中心は、イベントで配る記念品。先月の打合せ以降、山のようなサンプルを集めてきたが「う~ん、もうちょっとない?」と言われてしまった。 朝の9時に先方に行き、5時までかかったロングラン。 疲れ果て、いつもの寿司屋でビールと日本酒とウィスキーを飲み、寿司を食べた。うまかった。
という内容に関して私が仮に書いた英文が、こちらです。
January 11th Tue. Today I went to client to discuss the campagin next month. I met 3 men from the department of sales promotion. A man said, "the event is very important." We focused the novelties we would distribute on the day. After the meeting which we had last month, I had been researching a heap of information but I was told that wasn't enough by the man. I got to the place at 9 o'clock in the morning. The meeting finished at 5. I was exhausted so much, so I went to my favorite sushi restaurant, drinking beer, sake, and whiskies. I tasted hundreds of sushi. That was great.
なんとなく、それっぽい文章だと思いませんか?でも、Grammarlyだと、こんな風に言われちゃうんです。
![notion image](https://www.notion.so/image/https%3A%2F%2Fs3-us-west-2.amazonaws.com%2Fsecure.notion-static.com%2F962438b3-dae1-4600-8a20-809a5d1b53f1%2F%E7%94%BB%E5%83%8F1.png?table=block&id=391671df-ce1a-496c-a553-d2f7603d20c6&cache=v2)
この短い文章で9ヵ所も指摘されてしまいました。一体どこに問題があったのか確認してみましょう。
client → a client
なにげなく文章を書いているとつい忘れがちなのがthe、 aという定冠詞・不定冠詞です(私の場合)。Grammarlyは、冠詞を入れろと指定するだけではなく「theを入れましょう」と提案してくれます。ここthe にするかaにするかというのは、結構悩む場面も多く、その判断をする繰り返しは大変に勉強になります。
ここでGrammarlyの提案はtheでした。
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でも、文章の意図は「過去の話の出てきた特定で既知の得意先」ではなく「いくつかある得意先のうちの一つ」ということなので、私はあえてa を選択します。
campagin → campaign
ライティングをしているとどうしても起こってくるのがスペルミスです。たとえば、receiveを recieve とeとiの順番を間違えたりすると文を推敲してもなかなか気づきません。Grammarlyなら、冷徹にチェックしてくれるのがありがたいところです。 Wordでオートコレクトをオンにしていると明らかなスペルミスは勝手に修正してくれるのでいつまでも気づかないというようなことも起こってきます。
Grammarlyを使うと自分が気づかずにいたスペルミスを発見する効果もありますね。
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3 → three
Grammarlyを初期設定のまま使っていると、数字は文字で書いた方がいいよと指摘くれます?数字にするかスペルアウトするかというのは、悩みどころなのですが、こういうときGrammarlyではスペルアウトを推奨します。
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ここで「どうして?」と思う人もいるでしょう。そういうときにはBOX下の Learn moreをクリックすると解説してくれます。
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多くの参考書では、0~9はスペルアウトすることをすすめてくれるということのようです。また、年月日、住所、お金、得点、パーセント、分数、ページ、小数には数字を使っても平気と書いてあります。
間違いではないので、どうしても直さなくてはいけないわけではないですが「この程度が一般的だ」と言うことを知識として持っておくと、だれかに疑問を呈されたときに説明できて、いいですよね。
is → was → A man said, "the event is very important.”
これも日本人が忘れがちなのが、時制の一致。主節が過去なので、従属節も過去にしなくてはいけません。
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という提案を受けるわけですが、ひねくれた私は、言われたとおりに文章にしたくない。そこでたとえば、提案された以外の方法で切りぬけたりします。 この場合は、会話部分を”(会話)”と囲んで、上のようにすれば時制の一致の対象外になるので問題解決します。 *コーテーション(”)の前にカンマ(,)を入れるのもお忘れなく、こういうところはとてもうるさいGrammarlyです。
very important → significant → substantial
「importantという形容詞が弱いからってveryを付けても強くはならないよ」ときわめて的確でムカつくアドバイスもしてくれます。
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う~ん、でも、significantは文意とイマイチ会わないよな、というときは、いったんごみ箱マークをクリックしてキャンセルした後、本文の単語をダブルクリックしてみましょう。
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こんな形で類語が表示されます。ちょっと考えて、なんとなく頭よさそうに見えるsubstantialを選ぶことにしました。こんな風にGrammarlyは私のpoorなvocabulary をカバーしてくれます。
focused the novelties → focused on the novelties
これもまたネーティブ以外がよく間違えるのが動詞の自動詞と他動詞、また、目的語としてとれるのが人だけだったりモノだけだったり、ややこしい。私の場合はいさぎよくGrammarly任せにしちゃいます。
ここに紹介したfocusという動詞、「○○に集中する」という場合には、onかuponが必要になるということなので、素直に言うことを聞きました。
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had been researching → researched
英文を書くとき、時制などに厳密になろうとするあまり、過去完了進行形の受動態みたいな表現の連続になってしまう。そんなとき、Grammarlyは一言wordy (冗長だ)という指摘をします。おっしゃるとおり、シンプルな過去形で、なんら問題ありません。
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but → ,but
and、butなどの接続詞の前にカンマを入れるかどうか、日本語同様にさまざまな議論があるようです。Grammarlyの場合は、割とシンプルな立場をとっています。
- 主語が1つの場合:カンマ不要 (例: I went to the store and bought a book. )
- 主語が2つの場合:カンマ要 (例: We went to the store, and I bought a book. )
b’. 仮に同じ言葉が主語でも形式的に主語が2つなら、カンマを入れろと主張するようです。(例: I went to the store, and I met him there.)
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I was told by the man. → He told me
受動態よりも能動態の方がわかりやすいので、できれば能動態にしましょうと指摘されます。たしかに、すっきりとした文章になるようです。また、なんとなく受動態で書いてしまった文章を、どんな主語が書き換えれば適切か考えて作文するのも、いいトレーニングになります。
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9 o’clock in the morning → 9 a.m.
これもまた学校英語の弊害でしょうか、昔習った表現を無意識に使ってしまいがちです。これなどはまさに日本語で言えば「ミーティングは本日時刻午前9時00分より開始され」というような無意味にもったいぶっていることおびただしいですね。a.m./p.m.表記にしちゃいましょう。
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beer, sake and whiskies → beer, sake, and whiskies
オックスフォード・カンマというのはA, B, C, D and Eというような並列的な表記のとき、Dの後=andの前にカンマを入れるというルールです。 たとえば、あるフェスの出演者がビートルズとローリングストーンズとクイーンとイエスだったとします。The Beatles, the Rolling Stones, Queen and Yesと書いても誰でもわかります。でも、最後の出演者がサイモンとガーファンクルだったとするとちょっと事情が変わってきます。The Beatles, the Rolling Stones, Queen, Simon and Garfunkel と表記してしまうと出演者が4ユニットか5ユニットかわからなくなるという人がいます。つまり、The Beatles, the Rolling Stones, Queen, Simon, and Garfunkelと表記するとサイモンとガーファンクルが解散をして別々に出演するという意味になります。一緒に出るならカンマはいりません。このようにandで繋がれた単語が1つのものか、2つのものか区別するのがオックスフォード・カンマの役割です。 通常、ここまで目くじらを立てられるのは少ないと思いますが「そういうところに、こだわる人もいる」と知ることも英語学習の上で役立つことだと思われます。
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Grammarlyと議論するように使ってみたい
これらの助言に従って加筆修正したのがこちら。だいぶんすっきりしたでしょうか?
January 11th Tue. Today I went to a client to discuss the campaign next month. I met three men from the department of sales promotion. A man said, "the event is substantial." We focused on the novelties we would distribute on the day. After the meeting we had last month, I researched a heap of information, but he told me that wasn't enough. I got to the place at 9 a.m. The meeting finished at 5. I was exhausted, so I went to my favorite sushi restaurant, drinking beer, sake, and whiskies. I tasted hundreds of sushi. That was great.
ようやくGreat Job!の評価をいただけました。
![notion image](https://www.notion.so/image/https%3A%2F%2Fs3-us-west-2.amazonaws.com%2Fsecure.notion-static.com%2F5e18f68d-fc3a-455e-9cce-234ce6886664%2F%E7%94%BB%E5%83%8F15.png?table=block&id=092a53b1-5965-4049-90ad-d13798c6eb73&cache=v2)
作成した文章に関しては、こんな風に分析してくれます。
![notion image](https://www.notion.so/image/https%3A%2F%2Fs3-us-west-2.amazonaws.com%2Fsecure.notion-static.com%2Fbe3530a2-5a53-4a1c-b95b-d721ce500d59%2F%E7%94%BB%E5%83%8F16.png?table=block&id=18d011a1-8627-4ad6-b9b0-698aa984a70a&cache=v2)
Grammarlyにはたえず新しいチェック項目が付け加えられていきますが、2021年12月21日現在で、32項目ものチェック項目があり「うるさい!黙れ、アプリケーションのくせにいちいち説教するんじゃない!」という項目はチェックを外すことができます。
語の種類もアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアのなかから選ぶことができます。私はアメリカ英語に設定しているので、leaptというような教科書的な表記をすると「アメリカ的でないのでleapedにしよう」と言われます。
また、自分が書きたい文章のタッチも選べるという、いたれりつくせりな設定ができます。
![notion image](https://www.notion.so/image/https%3A%2F%2Fs3-us-west-2.amazonaws.com%2Fsecure.notion-static.com%2F8572f97f-a591-4750-91b8-bc3e9a04eaec%2F%E7%94%BB%E5%83%8F17.png?table=block&id=fb8aa191-ae8a-4440-ab71-c91dd8c65e34&cache=v2)
🦉まとめ:Grammarlyお勧めの使い方
このような多機能で役立つGrammarly、おすすめしたいのは単に言われたとおりに修正するのではなく、指摘された意味を考え、ときには喧嘩腰になって「これでいいんだ!」という理由を考える使い方です。あくまでも一般的な用法を指導してくるGrammarlyに対して、あえて異論をぶつけてみることで、あなたの文法知識は豊かなものになります。それはかならずライティングだけではなく会話の上でも役立つはずです。ぜひ、お試しください。
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