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お金をかけずに手軽にネットで「英語を遊ぶ」自主トレーニング法

2021年10月5日
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英語学習には「自主トレが大事」とよく言われます。

言葉のシャワーを浴びるように少しでも長く英語のなかに身を置き、できるかぎり口で反復する。

そのことにより本来の目的に向かう学習を補助し、英語力に広がりとふくらみを持たせる上で大変に役立つようです。

でも、教材やサービスに高いお金を使うのはできれば避けたい。

自主トレのために、留学や通学、オンライン学習などのお金が圧縮されるのは本末転倒もいいところでしょう。

そこで、今回は、自称英語学習オタクなライターで全国通訳案内士のTakさん「お金をかけずに手ごろに学べる」自主トレの方法を紹介してもらいます。

 

1. Google翻訳で「いまの仕事」を英語で話せる「感じ」をつかむ

完全無料で翻訳し、きれいな発音で読み上げてくれます

最初におすすめしたいのはGoogle翻訳。Googleが提供する完全無料のサービスです。

Google翻訳は、日本語から英語へ(または英語から日本語へ)片っ端から訳してくれるので、その都度、単語の意味や文の構造を確認できます。また、入力した文章を正確な発音で読み上げてくれます。

当初は、ブロークンな訳文がギャグのネタになるほどでしたが、最近は精度が高くネーティブ相手にも十分に通ずる英語を生成してくれると思います。

外国語のニュースの内容の理解などのためGoogle翻訳を日常的に役立てる人も増えてきました。

英語の自主トレにもなかなか役立つツールです。

ちょっと試して見ましょうか?この段落の最初の文

 
Google翻訳は、日本語から英語へ(または英語から日本語へ)片っ端から訳してくれるので、その都度、単語の意味や文の構造を確認できます。また、入力した文章を正確な発音で読み上げてくれます。また、入力した文章を正確な発音で読み上げてくれます。

(↓ Google翻訳)

Google Translate translates from Japanese to English (or from English to Japanese) from the beginning, so you can check the meaning of words and the structure of sentences each time. It also reads out the entered sentences with accurate pronunciation.
 

「片っ端から」「その都度」といった訳しづらい表現にもいい感じの英語にしてくれています。

英語から日本語も試してみます。下の英文は上記翻訳文を見る前に私が英作文したものなんですが...。

 
The Google Translator turns Japanese into English (or English into Japanese) quickly one after another. You can check the meanings of words and the construction of the sentence. This web service reads out your writing in the correct pronunciation as well.

(↓ Google翻訳)

Google翻訳者は、日本語を英語に(または英語を日本語に)すばやく次々に変換します。 単語の意味や文の構成を確認できます。 このWebサービスは、あなたの文章を正しい発音で読み上げます。
 

おお、なんと、私の元の日本文より、ずっとしっかりとしたいい日本語ではないですか笑。

 

ついでに、いかにも日本語特有の表現をいくつか入力してみます。

素っ頓狂
驚天動地
酒池肉林
焼肉定食

(↓ Google翻訳)

Crazy
Amazing place
sumptuous feast
Yakiniku set meal
 

と、これもまたいい感じに訳してくれます。逆順ですが、crazyを「素っ頓狂」と訳す翻訳者がいたら、かなり能力が高い人だと思います。

 

驚天動地は誤訳なんですが、これを「驚天動地な出来事」とすると

Astonishing event

と、ちゃんと正訳にしてくれます。単語単位だとブレがあっても、長く打てば打つほど、正訳に近づいていくのがGoogle翻訳の実力ですね。

 

日英翻訳ができたら、フォームの下にある

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をクリックすると、とてもきれいな発音で読み上げてくれます。少なくとも私の発音よりははるかに上です笑。

 

こういう風にして、日本語から英語に、英語から日本語に訳してみて、英語で読み上げてもらう・・・という「遊び」を繰り替えてしてみると「ああ、こういう感じか」って「わかった気がするもの」です。

この「ああ、こういう感じか」「わかった気がする」っていうのが、英語学習ではとても大切じゃないかと思うんですよね。

 

入力内容はなんでもいい。でも身近な言葉を選んでみると,、おもしろいかも!

さて、英語学習者がGoogle翻訳で「遊んで学ぶ」そのテキストは何がいいかという話になると思うのですが、結論から言えば「何でもいい」と思います。

選ぶのが面倒くさかったら、そのときたままたデスクに載っているものでいい。考えてみると、身近にあるということは、あなたに関係のある役に立つ文章ともいえるわけです。

ということでいま私のデスクには地元の保健所から送ってきた「インフルエンザ予防接種のお知らせ」がありましたので、Google翻訳してみます。

 
接種方法: 接種を希望する方は、同封した接種予診票をお持ちの上、○○区が委託している協力医療機関で接種を受けてください。医療機関によっては予約が必要な場合もありますので、あらかじめ電話などでお問い合わせの上接種を行ってください。また東京23区内の協力医療機関であれば接種が可能ですので、各医療機関にお問い合わせください。

(↓ Google翻訳)

Inoculation method; If you wish to receive the vaccination, please bring the enclosed vaccination pre-examination slip and receive the vaccination at a cooperating medical institution entrusted by XX Ward. Depending on the medical institution, you may need to make a reservation, so please contact us by phone in advance to inoculate. Inoculation is possible at any cooperating medical institution in the 23 wards of Tokyo, so please contact each medical institution.

Google翻訳の結果をGrammerlyでチェックしてもらったら、最初のIf you wish to receive the vaccinationは、丸々いらないといわれましたが笑。

 

通常、私が使うことがほぼない単語や言い回しがいくつかわかって興味深い結果になりました。予防接種はinoculationなんですね。ま、vaccinationをおぼえておけば苦労しないでしょうが。

 

私の周囲を見回してみて、たとえば英検1級とかTOEIC900点台を持っている人でも「自分の仕事」を英語で説明しようとすると、結構苦労する人、いるみたいです。

たとえば、あなたが働いているとして、今日日本語で作成したドキュメントや、今日送信したメールをGoogle翻訳してみると、意外な発見がありそうです。

 

こんな感じでしょうか?

 
○○様 今月の定例会議の企画お願いしていましたが、いかがでしょうか?現在の商況から見て、現場の社員を刺激するためにインパクトありありな講演があるといいかと思います(例:経済評論家の○○先生)。何人か私にも知り合いいますので、講演テーマが決まったらご連絡ください。私の方でアポどりできるかもしれませんので。 水曜日のランチミーティングもお忘れなく。

(↓ Google翻訳)

Mr. ○○ I asked you to plan a regular meeting this month, but how about it? In view of the current business situation, I think it would be nice to have a lecture that has an impact in order to stimulate the employees in the field (example: Professor XX, an economic commentator). I know some people, so please contact me when you decide on a lecture theme. I may be able to make an appointment. Don't forget the lunch meeting on Wednesday.

仕事の合間や休憩時間に、そこまで書いていたドキュメントをGoogle翻訳に流し込んでみると「ああ、こういう言い回しもあるのか」と発見がありますし、いくつかの新しい単語も獲得できます。

 

くれぐれも、ご注意。

Google翻訳がいかに進化したと言っても、まだネーティブレベルには達していません。また、アメリカやヨーロッパのビジネスマナーを知っているわけではないので、このまま海外に送信してはいけません。仕事に使うなら、最低限、一回読み上げて不自然な部分の修正が必要です。

 

でも、少なくとも「ここでおぼえた単語や言い回しを会話のなかで使っても、ネーティブな人たちに何が言いたいかわかってもらえる程度には伝わる英語にはなると思います。

何よりも、英語学習の秘訣は下手な鉄砲を無闇矢鱈に撃ちまくることなので、そんな意味でも、ちょっとした空き時間を利用して、Google翻訳で「遊んで学ぶ」自主トレしてみてはいかがでしょうか?

 

2. Netflixで日常会話をしゃぶりつくす

コロナ禍の巣ごもりのなかで、日本でもNetflixユーザーが大幅に増えたそうです。

Netflixは無料ではないですが、ベーシックコース見放題で990円。コーヒー3杯分で、一月毎日トレーニングできると思えば安いものです。

そして、このNetflixは英語(に、限らずすべての語学学習者にとって)宝の山だと思います。

アマゾンプライムビデオではダメです、Netflixでなくてはいけません。笑。

なぜかというと、Netflixのプログラムのほとんどが音声・字幕の言語を切り替えられるようになっています。

アメリカで制作されたドラマの場合、音声と字幕の両方を日本語と英語にできるので合計4通りの楽しみ方ができます。

(さらにすさまじいコンテンツもNetflixには見つかります。中国製アニメーション『フェイフェイと月の冒険』の音声は英語・日本語・韓国語・広東語・中国語の5言語、字幕は英語・日本語・ポルトガル語、韓国語の4言語。でも、こんなもので驚いてはいけません。Netflixアメリカと契約すると世界各国31カ国の言語で見られるそうです。映画の内容も素晴らしいので、死ぬまで楽しめそうです)

さて、Netflixを使って英語の自主トレをするときにおすすめしたいのは、一つのコンテンツを繰り返し、しゃぶりつくす方法です。

反復して、音声を聴きながら発声するので、お好みのドラマのイントロ部分とか、好きな映画のクライマックスを2~5分ぐらい選んではじめるといいでしょう。

たとえば、

💡
1回目:音声は英語、字幕なしで、どれぐらい聴けるか試してみる。
💡
2回目:音声は英語、字幕も英語で、音声に合わせて発声してみる。
💡
3回目~20回目?繰り返す
💡
21回目:音声は英語、字幕は日本語にして意味を取り違えていないか確認する。
💡
22回目:音声は英語、字幕なしにして、どれぐらい聴けるようになったか確認してみる。

もちろん、本当にこれだけの反復を絶対にする必要はありません。マスターした!と実感したら、そこでやめればいい。ただ、経験的には回数を増やすと増やしただけの発見があるようです。

また、日本語字幕で内容を確認するのは、できるだけ後にして、音を頭に焼き付けてからの方がいい気がします。英語がスムーズに出るようにするには、感じたこと、考えたことを、頭の中のイメージからダイレクトに英語にして発音することが大切で、途中で日本語が挟まると(私のように英語より日本語が得意な人々は)日本語にたよってしまいがちになり、イメージ→英語というダイレクトなルートが生まれる邪魔をする気がしています。

もちろん、上の方法にこだわる必要は全然なく、英語を耳に入れる→発声するというサイクルを繰り返す限り、どんな方法でも英語上達には役立つはずです。

ドラマのワンエピソードや一つの映画を音声・字幕両方を英語にして、発声しつづけるというのもいいですよね。

 

3.ほかにもまだまだ、ネットで見つかる英語自主トレに役立つ無料コンテンツ

YouTubeやTEDなどのサイトもいろいろ英語学習に使えます。とくに役立つのが、さまざまなプレゼンテーション映像です。

ガイドの仕事を少しやってみてわかったのは、英語というもの(日本語でもそうでしょうが)起伏をつけて強調すべきは思い切り強調すると伝わりやすいということです。

たとえば、「正しい文法、正しい発音で、べたーっと平坦に喋る」より「ブロークンな英語でも、強調すべきは思いっきり強調する」「大袈裟に身ぶり手ぶりして、相手の目を見てハッピーに話す」方が伝わりやすいということです。

そのへんの勘所をつかむのにとても役立つのがYouTubeやTEDで見つかるプレゼンテーション映像じゃないかと思います。

ちなみに最近ではYouTubeにも英語字幕付きのコンテンツが増えてきました。

以前、私はアップルの創始者スティーブ・ジョブスの有名なスタンフォードスピーチの完全記憶に挑戦したことがあります。

https://www.youtube.com/watch?v=UF8uR6Z6KLc

100回以上、聴きながら一緒に発声するというトレーニングを繰り返し、結局あきらめてしまいましたが笑。それでもいま聞き直してみると、スピーチの内容は大体頭に入っていて、英語で理解できるようになっています。

また、以前にも紹介しましたが、英語でプレゼンテーションする必要のある人におすすめなのは、世界中のすぐれた知性の持ち主が最新成果を発表するTED:Ideas worth spreadingです。

経験的にいえば、あれもこれもというより、お好きなプレゼンテーションを一つ見つけて徹底的に聴き倒し、真似し倒すのがいいような気がします。

私のお気に入りは、こちら。

Rana el Kaliouby

"This app knows how you feel - from the look on your face."

https://www.ted.com/talks/rana_el_kaliouby_this_app_knows_how_you_feel_from_the_look_on_your_face#t-650880

「エジプト生まれムスリムのコンピュータサイエンティストが研究する、人の感情を読み取るコンピュータシステム誕生に至るまでのプロセス」というような内容のプレゼンテーションを恐らく500回は再生しながら発声するという繰り返しをしたと思います。

今日、このインタビューのために何年かぶりに聞き直してみましたが、大体一緒にしゃべれたので逆にびっくりしました。

 

耳と興味を多方向に向けることで、英語力の幅が広がりそうな気がします。

昔、ある有名な英語の先生に「リスニングができない」と質問したら「あなたの好きな映画を10日間毎日英語で見つづけなさい、いやでも聴き取れるようになるから」というありがたいアドバイスをいただいたことがあります。

私自身、リスニングは永遠の課題でアメリカのテレビドラマの早口のやりとりやラップ音楽は字幕なしではとてもフォローできません。

自分の進歩が遅くてイライラすることもありますが、でもまぁ、トレーニングをやらないよりは、つづける方がずっといいぐらいのスタンスが精神衛生上はいいようです。

多くの人が英語学習するときには、目標があると思います。海外赴任をする、留学をする、多国籍企業と交渉をする、TOEICのスコアを上げる、その他いろいろ。

もちろん、いちばん必要なのは目標に合った学習でしょう。ビジネスのために海外でプレゼンテーションする必要のある人が学ぶべきは、ビジネス英語であり、それに即したボキャブラリーでしょう。

恋愛映画のなかのセリフをおぼえても(直接的には)何の役にも立ちません。ビジネスパーソンが東京の観光地情報を英語で紹介できても会社の評価にはつながりません。でも、英語を学ぶ上でおもしろいのは、余計な知識があればあるほど英語でのコミュニケーションが豊かになっていくことです。

ビジネスパートナーと話す中身が商談内容だけだと時間がもちません。野球のこと、映画のこと、今日の新聞の記事のこと、そういう内容を適度にギャグを交えながら会話すると良好な関係につながるのは日本語も英語も変わりないでしょう。

また、なにかのはずみで恋愛映画のセリフが役立つシーンが訪れるかもしれません(残念ながら、私の場合は一度もなく、今後もありそうにないですが笑)。海外からのお客さんから「ふくろうカフェに行きたい」と頼まれるのも珍しくないでしょう(owlという単語の知識が役立ちましたね!)

そんなわけで思い切りカジュアルに気楽に、でも、しつこく徹底的に、いろいろと工夫しながら英語の自主トレしてみてはいかがでしょうか?

目的に直結する王道の英語学習は、Learn with Coach Englishで、枝葉脇道の部分は無料(または低コスト)のコンテンツで遊びながらできる自主トレ、というのが、いいですね。

 

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