interview

英語的ロジカルを身に着ける!ビジネス英語習得への道

2021年06月28日
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by Mayumi
 
 
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英語を使う仕事はいろいろありますが、英語4技能の中でも「スピーキング力」が必須の通訳案内士。彼らはどうやってその英語力を身に着けたのでしょうか? あなたが目標に到達するためのヒントがここにあるかもしれません。

 

本日のゲスト :Akira(英語全国通訳案内士)

  • TOEIC 930点、英検1級、全国通訳案内士(英語)
  • 学生時に欧州63日間の自転車旅行。この目的のため高校時代より4年間、仏語を勉強。
  • 社内外国語研修所で西語、独語を履修。北米、南米ビジネスに従事するとともにドイツに駐在応援で4か月滞在。
  • 米国駐在前のTOEICで860点。4年の米国駐在からの帰国時にTOEIC930点
  • 半年の西語の自費留学。レベルB終了及びレベルC前半終了。
  • 米国、カナダ、英国のビジネスコンサルとしても就労中。
 
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Q & A

  • 英語を飛躍的に伸ばした時期の目標設定は?(どの程度からどの程度へ?) また、その目標達成にかかった期間はどれくらいですか?

米国駐在時の1983‐1987、及び1993‐1997年の8年間。技術屋として赴任。米国での社会的地位は営業>技術屋で同僚の営業をまず説得しないと顧客の前で発言も許されなかった為、いかに米国人営業を説得するかが目標。一番苦労したのは英語ロジックで議論を展開しないと全く説得力がないことを痛感。家内によるとよく英語でうなされていた由。英検レベルやTOEICの点数が実践ではあまり意味をなさないことを深く、強く認識。赴任当時は全く私の説明は通らなかったが、信用の獲得もあってか4年後には説明にも傾聴してもらえ、顧客前での発言も許された。

 
  • 社会人になってから一番英語を勉強していた時は、一日何時間くらいやっていましたか?

社内の合宿型集中外国語研修所での三週間。月曜から土曜の8時‐18時+2時間分の宿題。日曜も帰宅は許されない。寄宿舎内のプライベートな時間中でもクラスメートとの日本語禁止、罰金制度があり100円/一語。でもそれを苦痛と感じることはなかった。社内で選ばれて、費用は全額会社負担、給料もその間支給されるので、プレッシャーも大きかった。勿論、成績は逐一上司に報告される。英語は3週間と短いが、別に参加した西語と独語は7週間と長かったので厳しさに耐えかね脱落する仲間も何人かいた。

 
  • そのときはどのようなことをやっていましたか?

英語的ロジックを磨くこと。日々の大量のカリキュラム消化とともに、施設内の英語の本や雑誌を読んでロジックや語彙を増やしたり、英語の映画ビデオも館内で見て状況英語を学ぶ事が出来た。カリキュラムは、講師たちの多くがBerlitzで勤務した経験が有ったので、それを雛形にしていると思われるが、社内研究所で各種教育研究もしていたのでオリジナルの教材も有ったと思う。

 
  • 英語学習の目標達成に障害はつきもの。どんな障害をどう克服しましたか。

自己のモチベーション低下が最大の問題だが、辛抱あるのみ。私に場合は、仕事上の目的を達成するのはこれを乗り超えなければならないという義務感に押された。「時間がなくて、、」というのは、勉強しない理由を自ら探しているだけ、言い訳に過ぎない。私は定年退職後に英語を武器にすることは考えていなかった気がするが、退職時はリーマンショックで雇用延長も全くなく、また求人も極めて少なく自分で仕事を作るしかなかった。これを認識し、退職間際に通訳案内士資格を取得。

 
  • おすすめの教材や効果的な使い方があれば教えてください。

読書量を増やし、英語ロジックと語彙を強化する。1ページ中の知らない単語が3つ以下になると作業が目に見えて捗るようになる。ロマンス小説や童話のような抒情的な材料よりニュース雑誌や新聞などの客観的な材料を選ぶと英語的ロジックを習得しやすいかもしれない。飽きるので、趣味の雑誌や話題の映画の原作なども良い。私は米国出張時の空港で仕入れた大量のペーパーバックのSF小説を通勤中に読み漁った(10日に1冊のペース)ものだが、今はネットで安価、容易に購入できるので通勤中も容易に実行可能。

 
  • 勉強のモチベーションが下がった時、どのようにモチベーションを上げていましたか?

ひたすら耐えて継続すること。どうしても耐えられなければ、それで死ぬことはないので中断したらよい。しかし再開までの時間は習得上、ロスになることは避けられない。「兎と亀」の逸話を思い出すこと。スローダウンはしても辞めてしまわなければ何とかなる。たとえば、積極的に読み書きをしなくても、痛勤中にあった出来事を「こういう時は英語なら何と言うかな」と考えるだけでも継続につながる事もある。読み書きがおっくうになっても機会を捉えて英語に接することであろうか。また成果が見えるとモチベーションも上がるので、成果の「見える化」を工夫してみること。字幕映画(テレビのBSやCSでもOK)で聞き取れる部分が増えたとか、誤訳を見つけたとか、本の1ページ内の単語を辞書で引く回数が減ったとか、なんでも可。

 
  • 英語をお仕事で使えるレベルになりたいと思っている学習者へのメッセージをお願いします。

1.継続は力なり。母国語でも同じで、生きている限り気を付けていれば何語であっても言葉は上達します。辛くても飽きてもとにかく継続してください。

2.まず母国語での「語学」レベルを上げること、芸能ネタやお笑いネタを増やしてもダメ。インテリジェンスの低い学生英語では社会では尊敬もされないし、説得力もない。日本語で語彙を増やすとき、その多くは(現代中国語発音ではない)漢語であることに気づくでしょう。その時、既に外国語を習得しているのです。ここで大事なのは日本語の単語と英単語は一対一で対応しないと言うことで、日本語ロジックと英語ロジックが根本的に異なる事と深く関わっています。

3.日本語と英語のロジックの違いを深く認識すること。日本語の単語を英単語に置き換えるだけでは通じないし、相手の頭にも残らない。ガイド中にお客は集中が途切れて飽きてしまい,貴方のガイディングを聞かなくなる。例として、「今日の行程に○○を入れてくれますか?」と聞かれ、「そこは数日前に予約が必要でして、、、」と答えて、ガイドはリクエストが却下された事をお客は納得したものと思うが、客は実は納得していない。英語ロジックでは結論を真っ先に延べ、「いいえ、それはできません。なぜなら数日前からの予約客のみが入館を許されるシステムだからです。必要ならいつなら入れるか問い合わせましょうか?」と言わなければなりません。

4.更にロジックの違いで基本的なことは、英語のyes/noは日本語のはい/いいえとは全く異なる事。これはこちらの意思を伝えるとき、また同時に相手の言うことを理解するときに大きな齟齬を生じる原因になるので、特に約束や契約に関するやり取りでは細心、最大の注意が必要です。よくガイド中にバスの中で、「少し日本語を教えてくれ」と言われるので、コンニチハやアリガトウは良いとして、yes/noと、はい/いいえの違いを説明します。最後に「だから街中の日本人には否定疑問文での質問はしないでくれ、会話が混乱し、おおきな誤解を生む結果になる」で締めくくると、「やあ、なんて言葉だ、yes/noが通じないなんてどうやって意思疎通するんだ!」と嘆きますが、「世界を席巻した新技術の多くが日本語で開発された。だから日本語が劣った言語へは決してない。英語を話すプロ達はそこを理解して英語に合わせているから大丈夫」と答えています。あいまいに終わらせては誤解を残したままになります。ただ、副反応として、会社では「彼の英語は上手いかもしれないが日本語のしゃべり方を知らない」と陰口をたたかれました、日本人にはきつい表現に聞こえる事があります。

コロナ前に69歳でスペインへ単身、半年の語学留学に行きましたが、英語の土台があるとロジックが西語に近いので、習得は他の生徒より早かったと思います(技術系なのに語学は嫌いじゃないのかも知れません)

最後に、失敗しないように気を付けていたつもりでも、失敗は必ず誰にでも起きます。高くつくこともありますが、いい勉強をしたと考え、次の機会に生かす不屈の努力が必要です。「私、失敗しないので!」と言えたらいいのですがね。

Good luck!

 

ゴールへの道は一つではありません。でもそこにはきっと何か共通点もあるはずです。あなたが実践的な英語を身に着けるための学習のヒントが得られるよう、これからも英語の達人をお招きしてお話を聞いていきます。

 

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