interview

英語学習継続の大切さと難しさ -克服のカギは?「自分に合った方策」

2021年06月21日
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by Mayumi
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英語を使う仕事はいろいろありますが、英語4技能の中でも「スピーキング力」が必須の通訳案内士。彼らはどうやってその英語力を身に着けたのでしょうか? あなたが目標に到達するためのヒントがここにあるかもしれません。

本日のゲスト :Daisuke(英語&スペイン語全国通訳案内士)

  • 教育大学で英語の免許を取得後、東京都公立学校で7年間勤務。その後3年ほど海外遊学(うちスペイン語圏に1年半滞在)。帰国後、添乗員を経験しながら、通訳案内士資格を取得。
    • TOEIC820、高校英語教諭、全国通訳案内士(英語、スペイン語)
  • 2019年の観光通訳ガイド稼働日数は72日。訪日外国人が戻ってくることを期待しながら日々研鑽中。
 
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Q & A

  • 英語を飛躍的に伸ばした時期の目標設定は?(どの程度からどの程度へ?) また、かかった期間はどれくらいですか?

英語学習の目標設定は、「全国通訳案内士英語の取得、英検1級の取得」でした。この目標を設定したとき英語は日常生活で不自由なく意思疎通できるレベルにはいたのですが、次のステップとして、仕事で使える英語、ビジネスシーンでのスムーズな意思疎通と相手の要望にも応えられるレベルの英語力の習得を目標としました。英語の通訳案内士の資格については、決意から取得まで1年でした。英検1級はまだ取れていないので、日々向上に努めています。

 
  • 一番英語を勉強していた時は、一日何時間くらいやっていましたか?

1日多くて5時間は勉強していました。家庭がありながら5時間って…と私自身思いながらやってましたが、家族の協力があってこその時間でした。集中力が途切れたときには喫茶店に移動しましたが、基本的には図書館を利用して、5時間は通しで勉強してました。毎日続けることが結果につながると思っていたので、長時間の確保ができないときでも、少なくとも1日30分は学習時間をとるようにしていました。どの時間帯に何をするかという工夫も大事ですね。例えば、夜子どもが寝てからが時間を作りやすかったので、そうした夜の時間は声を出して練習できることに取り組んでいました。眠くなったらやむを得ず終了です(笑)。

 
  • 目標達成に向けてどのようなことをやっていましたか?

通訳案内士の試験に向けて学習していたので、アウトプットとインプットの両方に力を入れていました。インプットでは、単語の量が絶対的に不足していると自覚していたので、日本文化に特化している単語本(1万語程度)の習得に励んでいました。単語は隙間時間を使い、どうしても覚えられない単語は紙に書き写して音読して覚えようと努めてました。しかし、やはり忘れてしまうものですから、そうしたときには諦めて他の単語を覚えることに切り替えてました。アウトプットでは、1日に10テーマは練習で言うようにしていました。例えば「みたらし団子」を食べたくなるような5sentencesで完結する文を作って独り言で言ったりしました。Japanese people have long enjoyed rice dumplings which are called Dango. These are chewy, bite-sized and added with various seasoning like sweet red bean paste, soy bean flour and so on. One of the seasonings is Mitarashi which is thick and sweet soy source. We see it this mouth-watering dumping somewhere around 100 yen at supermarkets or sightseeing spots in Japan! といった具合です。こういった日本独特のものの説明は、200種類以上をレパートリーとして頭に叩き込んでおいたので、資格取得後は実際のツアー中のどんな場面でもパッと引き出せるようになりました。さっと言えると、そこからのお客様との会話もより楽しくなりました。目標達成後の自分をイメージし、実践の場面を想定することでモチベーションも上がり、単語やフレーズも楽しく覚えられます。覚えたものは口に出す。独り言でも効果大です。

 
  • 目標達成に障害はつきもの。どんな障害をどう克服しましたか。

独学で他言語を学習する場合の障害は「他者からの適切なフィードバックがない」ということでした。アウトプットもインプットも自分でできるものですが、それらが効果的に身についているか自分が確認することは難しい。ですので、英語が理解できる知り合いに頼み込んで、文が魅力的かどうか聞いてもらうことを繰り返していました。自分の英語をブラッシュアップするために他者からのフィードバックはとても有効だと思います。

 
  • おすすめの教材や効果的な使い方があれば教えてください。

今でもまだ使っているのですが、『発信型英語10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング』がインプットに有効でした。発話の練習にもなるのが『CNN ENGLISH EXPRESS』を毎月購入し、リテンションできるようにしたり、ディクテーションをできるようにしたりすることです。後者の教材ですと、1分弱の文章から3分程度のニュースまであり、発話された一文を聞いて一時停止、後追いで諳んじる、これの繰り返し。リテンションは、一時的に文が脳に記憶され、文の構造やコロケーションを身につけることに効果的だと考えてます。アプリやポッドキャストを使うと、速度を遅めたり、一時停止もしやすかったりしますので、語学学習には最適かと考えます。

 
  • 勉強のモチベーションが下がった時、どのようにモチベーションを上げていましたか?

チベーションが下がった時に、(使用教材の)浮気をしてモチベーションを高めます(笑)。使っていた単語帳とは違うものを買って一から取り組んでみたり、定期購読していた雑誌を他のものに乗り換えたりしました。浮気してたのは、Spanish-English Bilingual Visual Dictionary、日英語表現辞典 (ちくま学芸文庫)などでした。前者は絵がついてるので惹かれて、後者には積み重ねられた歴史を感じさせてくれました。移り気のある私自身には効果的な方法で、モチベーションが完全に下がってしまうのを防ぐことができていました。ちなみに、どの本もいまだ完全制覇できておりません(笑)。浅く広くというかんじでしょうか。

 
  • 英語をお仕事でつかえるレベルになりたいと思っている学習者へのメッセージをお願いします。

「続けていくことの大切さや難しさ」は、私も一学習者でもありますので、痛いほど理解できます。語学学習で自分の望むレベルまで上げるためには、「続けていくこと」は避けて通れないと考えます。モチベーションを保ち続けるための、自分に合った方策をもつことは得策かもしれません。使っている単語帳を変えてみる、他者のフィードバックを必ず週1入れる、通勤中は絶対にポッドキャストのBBCを聞き続ける等、何か自分に合ったものがあるかなと思います。共に、「よりよい自分」目指してがんばっていきましょう。

 

ゴールへの道は一つではありません。でもそこにはきっと何か共通点もあるはずです。あなたが実践的な英語を身に着けるための学習のヒントが得られるよう、これからも英語の達人をお招きしてお話を聞いていきます。

 

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