interview

「異なる言語を使っている人々と分かり合えるように英語を習得する」という視点

2021年06月7日
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by Mayumi
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英語を使う仕事はいろいろありますが、英語4技能の中でも「スピーキング力」が必須の通訳案内士。彼らはどうやってその英語力を身に着けたのでしょうか? あなたが目標に到達するためのヒントがここにあるかもしれません。

本日のゲスト :Hiroyuki(ラーンウィズコーチイングリッシュ コーチ)

  • 全国通訳案内士(英語)
  • 大学卒業後、土木技術者としてゼネコンに入社し、日本各地の大型インフラ工事現場に配属され、その後、パラオ、トラック、グアムでのインフラ工事の入札業務、工事管理業務を経験した。約 9 年にわたる海外在住の後、帰国後は、主に海外、国内の土木工事入札前の積算・見積業務に従事勤続 40 年を機に退職し、海外駐在中に培った英語力を生かすべく、インバウンドのお客様に日本を紹介する通訳ガイド業務に就き現在に至る。
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Q&A

  • 英語を飛躍的に伸ばした時期の目標設定は?(どの程度からどの程度へ?) また、かかった期間はどれくらいですか?
 

私は、中学生時代から英語に興味があり、当時、NHKラジオで放送されていた「ラジオ基礎英語」を毎日聴取し、重要な表現を繰り返し発音し記憶しました。このころから外国へのあこがれみたいなものがあり、将来は、海外で活躍したいという夢をもっていたように思います。あまり自信はなかったのですが、担任の教師に薦められるままに、中学2年生のときに英検3級の試験を受け、合格することができました。二次の面接試験で口頭試問があり、内容はよく覚えていませんが、何とか対応でき合格につながりました。今になって思えば、生の人間からの口頭での英語での質問に、口頭で応えることの初体験であり、この経験により、自分の英語能力に対する自信につながったと思っております。その後も、高校受験勉強としての英語の学習を続け、特にこの時期には単語の記憶が主な学習内容でした。高校入学後も英語は特に得意な科目であり、授業で毎日、単語のテストがあるため、この時期に飛躍的に自己の記憶している英単語数は増加したと思っております。グラマーも当時「やまてい」と呼んでいた「新新英文解釈研究」という参考書の例文を徹底的に記憶させられ、今でも収録されているフレーズや文のいくつかを記憶しているくらいです。

 
  • 目標達成に障害はつきもの。どんな障害をどう克服しましたか。

受験勉強はさておき、道具としての英語能力の向上を目的とした学習の中で、モチベーションが下がる時期もあると思いますが、その時は、ちょっと英語学習からは離れた生活をおくればよいと思います。一週間もすれば、必ずまた英語に対する学習意欲がわいてくると信じています。実際、私もそうでした。

 
  • 一番英語を勉強していた時は、一日何時間くらいやっていましたか。期間は?

英語をいわゆる学問として勉強していたのは、やはり高校時代が最も長時間で、毎日1時間程度は勉強していたと思います。大学時代は、工学部ということもあり、講義で勉強する以外は特に英語学習に時間を割いたという記憶はありませんが、スピーキング能力を向上させたくて学内のESSクラブに所属しましたが、1年程度で辞めました。企業に勤めるようになっても、NHKラジオ放送の「ラジオ英会話」は継続して聴取しておりました。入社後、6年目に海外派遣の機会を与えられ、西太平洋の島国に派遣され、現地の労務者を雇用して、日本政府発注の某工事のプロジェクトマネジャーを経験しました。この時点では、発注者が日本政府であったこともあり、英文によるレターのやり取りや米国本土のサプライヤー等との接触の機会はなかったのですが、現場で工事を監督するため実戦での英会話能力を向上させることができました。その後、また、別の島国へ派遣され、この時は発注者が米国政府であり、スペック、図面もすべて米国仕様であり、コンサルタントのエンジニアもネイティブであったため、もはや英語の学習ではなく、英語で仕事をするという環境に放り込まれました。ここのエンジニアのなまりが激しく、聞き取るのに大変な苦労をした記憶があります。その後、グアム島に派遣され、本格的に英語を使っての仕事を経験することになり、数年後には完全に、脳がthinking in Englishの状態になっておりました。

 
  • そのときはどのようなことをやっていましたか。

先に述べたように、海外勤務中は実戦でしたから、生活そのものが英語学習となっていました。 帰国後は、せっかく身に着けた英語によるコミュニケーション能力を維持すべく、先に書いた「NHKラジオ英会話」の聴取を続けました。また、短い文ですが、英文で日記を書いたり、スケジュール帳は英語で記入し、To Do Listもすべて英語で書くことを続けました。高校時代に使用した豆単を使用して英単語の記憶にも努めました。また、自分の英語能力がどの程度かを試すためにTOEICを二度受験しました。定年後に備えるために全国通訳案内士の試験にも挑戦しようと、ある年の始めに決心したものの、これといった教材が見つからず数か月が過ぎましたが、あるときインターネットで無料で公開されている受験講座を見つけてからは、英語以外の教科も含めて帰宅後は毎日4時間ほど机に向かいました。運よく一次試験に合格後は、二次試験で出題が予想される日本事象についての英語の説明文を毎日、お経のように繰り返し暗唱しました。おかげで運よく合格することができました。

通訳案内士になってからも、毎日、ガイドツアー先の情報収集はもちろんのこと、米国のNewsweekのインターネット版の音読とNHK WORLD JAPANの視聴を続けております。

 
  • おすすめの教材や効果的な使い方を教えてください

やはり、安価でリスニング、リーディング及びスピーキングが同時に練習できるNHKのラジオ講座がお薦めです。現在は、ストリーミングで、「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」、「英会話タイムトライアル」及び「ラジオビジネス英語」による学習を続けております。

  • 勉強のモチベーションが下がった時、どのようにモチベーションを上げていましたか?

英語能力、特に英会話能力を向上させるためには、英語という学問を学習するという視点ではなく、「異なる言語を使っている人々と分かり合えるように英語を習得する」という視点で、日常生活の中に英語という言語を取り入れ、常時使用することにより、英語を学習するんだという使命感に伴うストレスからくるモチベーションの低下を回避することができると思っております。皆様も毎日英語を使ってください。日常使っている家電製品、中華料理の様々なメニューの英語名、街でみかけるいろいろな器物、様々な野菜等等、「これって英語でなんて言うんだろう?」という問いかけを、ご自身になさってください。こういった習慣により、例えば、街なかで外国人から話しかけられたような場合にでも、即座に何らかの対応ができるようになってくると思います。

 
  • 英語学習者へのメッセージをお願いします。

コミュニケーションツールとしての英語を習得することは、ご自身の視野を広げることにつながります。おそらく、この記事をお読みの皆様は、皆、英語学習に格別なご興味がおありの方々であると思います。これまでの英語へのかかわり方は、皆さまそれぞれ異なっていると思いますが、これからは、知識としての英語ではなく、道具としての英語、第二言語としての英語を習得してみようというお気持ちになられて、「習うより慣れろ」の精神で、英語学習に向かっていかれるのがよろしいかと思います。

ゴールへの道は一つではありません。でもそこにはきっと何か共通点もあるはずです。あなたが実践的な英語を身に着けるための学習のヒントが得られるよう、これからも英語の達人をお招きしてお話を聞いていきます。

 

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