interview

「英語の勉強を再開してみよう」と思った『いま』があなたのベストタイミングです - ブランクがあっても大丈夫!

2021年05月25日
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by Mayumi
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英語を使う仕事はいろいろありますが、英語4技能の中でも「スピーキング力」が必須の通訳案内士。彼らはどうやってその英語力を身に着けたのでしょうか? あなたが目標に到達するためのヒントがここにあるかもしれません。

本日のゲスト :Tomoko. H(ラーンウィズコーチイングリッシュ コーチ)

  • TOEIC960、英検準1級、全国通訳案内士(英語)
  • 神奈川で県立高校の英語教諭12年、看護師免許取得後神奈川・大分でナースとして約8年、その後旅行業界で国内外の添乗を経て訪日外国人旅行者のプライベートツアー、フードツアーの観光通訳ガイドとして活躍
  • 2019年の観光通訳ガイド稼働日数は年間約200日
  • コロナ禍にあって、出身自治体の集団ワクチン接種チームのメンバーとしても活躍中
 
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Q & A

  • 英語を飛躍的に伸ばした時期の目標設定は?(どの程度からどの程度へ?) また、かかった期間はどれくらいですか?

私の場合は「飛躍的に伸ばした」というより、ブランクをどう乗り越えたかについてお話したいと思います。

大学時代から最初の仕事をしつつ、英語は10数年勉強しており、基礎力はついていたと思います。しかし、その後英語に触れる機会が著しく減り、ブランク期間が10数年と長かったです。看護師の資格を取るための勉強や子育てをしながら病院で働いていた期間は、目の前のやらなければいけないことをこなすことだけで精一杯。お恥ずかしながら、英語のインプット、アウトプットの機会はほとんどなかったと言ってもいいかもしれません。皆さんも日々のお仕事や生活の中で、英語の学習になかなか時間と気持ちを向けられない、ということがあると思います。

大分の病院で働いていたときのことです。私よりだいぶ若い仕事仲間がつらい経験をし、その気持ちを紛らわすために何かに没頭したいということで「英検2級を受ける」といいだしました。彼女を応援したい気持ちもあって「じゃ、私は準1級受けるね、一緒に頑張ろう!」ということになりました。これが英語学習再開のきっかけです。私はその昔、1級を受けてあと一息の点数でしたが、落ちた経験がありました。ブランクもあるし、まずは着実に準1級をクリアしよう、と目標設定。

仲間とはときどき進捗状況を伝え励ましあいながら、受験用の問題集に何度も取り組みました。仕事や家庭のことで計画通りに進まないときもありましたが、一緒に走る人がいるのはよいもの。お蔭様で4か月くらい繰り返し問題に取り組み、2人でそれぞれの級に合格することができました。

 
  • 目標達成に障害はつきもの。どんな障害をどう克服しましたか。

誰でも、仕事や生活があるので、当初計画したように学習が進まない、ということはあるもの。それから、プラトーといって、やっているのに成果がそれ以前のように出ない「中だるみ」のときも。こうしたことは学生時代から多くの人が体験していますよね。

私自身もその穴に落ちがちなのですが、「やれなかったこと」を見るのではなく、「やれたこと」「やってきたこと」が自分で確認できるよう、使用する教材には日付や印、その時の点数などを積極的につけるようにし、「繰り返している実感」「進歩している実感」を視覚的に確認できるようにしました。そして、「中だるみ」するのはじぶんだけではない、という一般的知識を意識化する。

 
  • 一番英語を勉強していた時は、一日何時間くらいやっていましたか。期間は?

そうですね、一番やっていたときは、一日3~4時間くらいでしょうか。仕事と同じでやらない日もありますが、週休二日くらいにとどめて。期間は1年くらいです。

 
  • そのときはどのようなことをやっていましたか。

まず、英語の音声や表現に日常的にふれ、使える語彙を増やすために、NHKのラジオ語学プログラムを2つ聴いていました。放送時間には聴けないことが多いのでストリーミングを利用して、レベルやテイストの異なる「実践ビジネス英語」と「ラジオ英会話」に取り組みました。

他に、TOEICを初めて受けることに決めたので、CDつきの受験問題集にも繰り返し取り組みました。最終的には3種類の問題集を少なくとも2回、だいたい3回取り組みました。ものによっては、単語集などもついているので、それも無駄にしないようやりました。

 
  • おすすめの教材や効果的な使い方を教えてください

まず、昔からある、NHKラジオの語学プログラムはおすすめです。英語に限らずいろいろやりましたが、ほんとによくできていますね。費用もかからないし。自分のレベルにあったもの、そしてちょっと噛み応えのあるレベルのものに継続的に取り組んでください。1度聞いたらおわりではなく、何度も聞いて、シャドーイングしたり表現をそのまま覚えたりもとても役立ちます。私はテキストは紙のものを購入し、あれこれ書き込んで使っています。

次に、なにかの試験を受けるなら、それに準拠した問題集。これは繰り返しやると達成感があります。

そして、コロナ禍になって私がはまったのはYouTube。何を聴く(見る)かはひとそれぞれですが、私は、NY州知事Andrew CuomoのDaily Briefingを毎日欠かさず数か月見ていました。そして、南アフリカ出身のコメディアンTrevor NoahのDaily Showと過去のStand-up Comedyのステージ録画。前者は毎日のものなので欠かさず聞きたくなるし、わかりやすい発音とネイティブ求められる一定の語彙(知らなくて調べたものも多いです)が学びになります。NYのそして米国の「いま」がCuomo氏の視点からですが、よく伝わってきました。Trevor Noahはコメディアンなので、ネイティブではない私には笑いのツボがわからないこともありましたが、繰り返しいろいろ見ていると勉強になるだけでなく、わかって笑える部分が多くなり、その生い立ちにも興味がわきました。ベストセラーになった彼の本「Born A Crime」も購入して読みました。なにかをきっかけにこうして英語の本を読み切ることも勉強になります。

以上、3点目はあくまで私個人の趣味体験ですが、何であれ、「面白い」と思った動画を次々見ることができて英語の勉強にもなる、というのがYouTubeの面白さですね。

どうぞ、睡眠不足や視力低下にはお気をつけて😊

 
  • 勉強のモチベーションが下がった時、どのようにモチベーションを上げていましたか?

こういうことを言うと身も蓋もないかもしれませんが、英語はあくまでもコミュニケーションの手段。

仕事なり、趣味なり、友人や家族との時間なり、あらゆる体験、もしかしたら病気やケガ、個人的失敗、パートナーとのケンカなどのネガティブな体験ですらコミュニケーションの「中身」になります。

というわけで、「やったことは何ひとつ無駄にならない」と開きなおり、勉強ばかりでなくいろいろ楽しみました。ハイキングや旅行、温泉、美味しい食事に読書や映画。そんな体験を専門分野での留学経験のある友人に英語で伝えてみたりしました。楽しんでくれるので、こちらもどう面白く伝えようか考えました。

この、楽しい体験やそれを通じて得た知識を英語でどのように伝えようか、と考える習慣は、のちのち通訳ガイドになって大変役に立ったと思います。一石二鳥(笑)

 
  • 英語学習者へのメッセージをお願いします。

まずは、学習を楽しめるようプランニングしてください。苦しいことは続きません。「忘却」は人間の最大の能力だと私は思っていますが、私たちは生き続けるために、防衛機制として「嫌なこと、苦しいこと」を忘れるようにできていますので:)

そして、タイトルにも書きましたが、「やってみようかな」と思ったときが再開のタイミング。学生時代に英語は勉強していて、ある程度の基礎はできている人も多いですが、社会人になって「使えるようになりたいと思った」(あるいは必要に迫られた)『いま』こそチャンス!学生時代に蒔かれた種を育て収穫するときです!そのきっかけを、いまぜひとらえてください。

ゴールへの道は一つではありません。でもそこにはきっと何か共通点もあるはずです。あなたが実践的な英語を身に着けるための学習のヒントが得られるよう、これからも英語の達人をお招きしてお話を聞いていきます。

 

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