interview

スピーキング力を伸ばす勉強法

2021年08月30日
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by Mayumi
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「努力に勝る秘策なし」英語の達人はどんな努力をしてスピーキング力を上げてきたのでしょうか。具体的で参考になる方法をシェアします!

本日のゲスト :Tom(英語全国通訳案内士)

  • TOEIC930、英検1級、全国通訳案内士(英語)
  • アメリカ23年、シンガポール3年、香港4年駐在。他、欧州、インド、アセアン、中南米を、「飛び込み営業」で駆けめぐった。
  • 2018年・2019年の観光通訳ガイド稼働日数は2年間で約200日
  • デンバー市長、映画ジュラシックパークの助演男優もガイド実績あり
  • 英国Guardian誌、米国Forbesの記者もFAM TRIPでご案内
  • YouTubeの英語ガイド自己紹介ビデオ視聴回数1000回超。
  • プロゴルファー・トムワトソンと20年以上の親交。
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Q & A

  • スピーキング力を伸ばすためにどのような勉強をしてきましたか。また、どのような勉強方法が効果がありましたか?おすすめの勉強方法を教えてください。

【私のおすすめは、スマホに向かって英語で話しかけて録画する方法です】

心がけているのは、毎日英語を、「実際にしゃべること」。私の仕事は、英語の通訳ガイドなので、仕事でお客様にお話しをするのが一番勉強になります。しかし、今はコロナ禍でガイドの仕事はゼロ。お客様とお話しする機会はありません。そこで考えたのが、「スマホに向かって英語でしゃべって録画すること」。

スカイツリーや、明治神宮、築地の城外市場、銀座など、インバウンドが再開して、また英語ガイドをすることを想定して、実際にでかけます。これはとても良い練習になります。自撮り棒があると良いです。性能の良い自撮り棒が4000円くらいで、あとはコストゼロ。必要なのはヤル気と時間だけ。うまくできるかどうかは気にせずに、楽しむことを心がけます。

ある程度、達成感や緊張感がほしいので、録画ビデオは、FacebookやYouTubeに投稿します。ですから、海外や、日本在住の、英語を母国語とするお友達を作ることは、大きなプラスになります。

ビデオ撮影では、お友達に英語で話しかける、くらいの「軽い気持ちで良い」と思います。自分なりに楽しむ!その気持ちがとても大切です。自己満足も大いに結構!自分が楽しめて実力アップすれば、それが一番でしょう。ビデオの長さは1~2分間。最初はうまく行かなくても、我慢して続けると、やがて楽しくなります。

その際の注意点をお伝えします。それは「準備はしっかりと行なう」という事。例えばスカイツリーなら、出かける前に、聴く人に伝えたい事を箇条書きにして、何度も声に出して練習します。私は、仕事でガイドをする時も、この準備は入念に行います。「行けば何とかなる」では、なんともなりません。しかし、それなりの準備をすれば自信が湧くし、実力もアップし、聴く人に熱意が必ず伝わります。

スカイツリーなら、The world’s highest broadcast tower with the height of 634 meters which is approximately 700yardsなど。スカイツリーに特徴的な事を、何点か箇条書きにして頭に入れておく。このような原稿作りと暗記は、「必ず」英語で行って下さい。そして、その原稿と映像は、ワードやクラウドで保存して、ご自分の勉強の記録にされると良いでしょう。

私も今は、コロナ禍で旅行などできませんが、都内の人気のスポットには、気軽に行けますので、スマホと自撮り棒を片手に3密を避けて出かけます。そんな観光サイトの隠れた魅力も自分なりに発掘して、マイ・ビデオストーリーとして残しておくのも、なかなか楽しいですね。このビデオリハーサルは、皆さんのお仕事や学業での、プレゼンリハーサルでも、役に立つと思いますので、是非、活用なさって下さい。

 
  • どれくらいの時間をかけて、どのように伸びてきたか、時間軸と伸びの実感を具体的に教えてください。

【3か月続ければ最初の効果が現れ、1年続ければ格段に実力は上がる。大切なのは1日5分でも「必ず毎日続ける事」。そして最も大切なのは、「自分は一生英語を勉強し続けるのだという覚悟」です。この「覚悟」ができれば、必ず飛躍的に英語力が上がります】

「時間軸と伸びの実感」について、私の場合は、「長期間の音読継続」が英語力の養成に非常に効果がある事を実感しています。

私は、音読は20年以上、毎日少しずつでも継続していて、英語のスピーキング力は徐々に向上していると実感しています。そこでとても大切な前提は「良い教材を選ぶ」事です。良い教材とは、複雑な事をわかりやすく説明していて、内容が普遍的であるもの、自分のモチベーションを高めるもの、だと思います。

私が良い教材と思うのはNapoleon Hill’s Positive Action Planという本。この本の表紙と共に、私の勉強方法を示す写真を添付します。この本は、1月1日から12月31日まで毎日、日付ごとに読んで、モチベーションが上がるように編集されています。

1月のテーマは、Traits of character(人格)、2月はPersonal Initiative(率先)と、月ごとのテーマでまとめてあり、一項目につき、ゆっくり読んで2分、慣れると1分ほどで音読できるようになっています。一口サイズのお菓子みたいで、とっつきやすく、音読が長続きする魔法の本です。私の場合も20年以上続いています!

写真は、(A)表紙、(B)目次(1月はTraits of Character, 2月はPersonal Initiative, 3月はA Winning Attitude)、(C)私の指が写っているのは、8月1日の項で、「エジソンは白熱灯の発明までに1万回失敗した。だからあなたは、ほんの1回失敗したからと言って、何も心配する事はない」という主旨の文章)、(D)は8月1日の項をA4の紙に書写したものです。

 

(A)表紙

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(B)目次(1月はTraits of Character, 2月はPersonal Initiative, 3月はA Winning Attitude)

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(C)私の指が写っているのは、8月1日の項

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(D)8月1日の項をA4の紙に書写したもの

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私は、この本の中で気に入った文章は、このように手書きで書写して、その紙を持ち歩くことにしています。紙一枚なら、折りたたんでポケットにも入るし手軽です。机上音読の他、みなさんも、お忙しい中、時間の有効利用の一法として、このように紙を一枚持ち歩いて、外出時に音読する方法をお勧めします。

今は特にコロナ禍でマスクをしていますから、歩きながらつぶやいても誰にもわからないし、駅のホームの時間待ちでも、まわりの人から少し離れれば、ぶつぶつ音読していても、誰にも気付かれません。ビジネスやデートの待ち時間も活用できるし、これによって「毎日音読する」という習慣もつきます。

私は、この学習方法を10年以上続けており、そのおかげで、この本の相当の部分を暗記でき、英語ガイドの仕事や通訳の時に活用しています。(ずいぶん昔ですが、英検1級も、同じ方法で合格しました)

写真のように、1回の音読ごとに一本ずつ線を引いて正の字にして回数を書いて行く。実行するとわかりますが、100回なんて「あっという間」です。そして100回音読する頃には、文章が自然に口をついて出てきます。

更にもう100回、つまり合計200回音読すれば、まず誰でも全文暗記できます。一日20回を10日間です。慣れれば1項目1~2分で音読できますから、一日30分もあれば充分です。「一日30分」、大した時間ではありません。

面白いのは、音読を繰り返すと、「覚えたくなくても自然に頭に入る」という事実です。考えてみれば、我々は日本語も、きっとそうやって覚えたのですね。

是非トライしてみて下さい。効果ありますよ!「継続は力」です。

 
  • 複雑な構文で話せるようになったのは勉強を始めてからいつごろですか?それまでのシンプルな構文から複雑な構文で話せるように変化したのは、どのような勉強方法が効果があったのでしょうか。

【複雑な内容の英語対応が可能になったのは、CNNやBBCを本気で聞き始めてから、です】

複雑な内容の英語に対処できるようになったのは、CNNとBBCを真剣に聞き始めた事が、大きな要因だと思っています。テレビのそばには、常にクリップボードとメモを用意しておいて、初めて聞く単語や良い表現はすぐに書き取ります。CNNは、スクリプトが画面の下に出てくる場合が多いので、自分の聴き取り(comprehension)が正しいかどうか、聴きながら(画面を観て)確認します。

 
  • スピーキング力を伸ばす時に使っていたあなたの勉強ノートなどがあれば、見せていただけませんか?

【CNN Expressの教材をご紹介します】

私は、CNNの復習版とも言うべきCNN EXPRESSというCD付の雑誌(現在はCDではなく、リスニングトレーナーというアプリをダウンロード)を適宜購入して勉強します。

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  • レアジョブやDMM英会話のようなオンライン英会話、またはベルリッツなどの教室型英会話は活用されましたか?活用されていた場合、活用のテクニックを教えてください。

【サイマルアカデミーの逐次通訳クラスを受講。活用のテクニックは、ズバリ、プロの通訳者の方法論を修得すること(盗むこと)でした】

プロはみんな自分の方法論には自信を持っていますから、アドバイスを求めると、親切・丁寧に助言してくれます。ですので、可能な限り先生方と親しくなり、特に、「あなたのためになる」アドバイスをしてもらうことです。

真の近道は、安易な方法にとびつくことではなく、長期間、地道に努力を重ねること」という事が体感できた事も、サイマルアカデミーに通った収穫でした。プロは、実に忍耐強く、地道な努力を続けています。

ですから、巷によくある、「短期間で英語がしゃべれるようになる!」とか、「毎日聞き流すだけで上達!」などの宣伝文句は、あまり「まに受けない」方が良いと思います。

「聞き流す」というのは、正しいリスニング訓練をおこなって得られる「結果」であって、「聞き流すという方法論」は、あまり効果はないというのが、私の経験からくる実感です。

実力をつけるにはそれ相応の覚悟が必要、と思う方が結局近道ですよね!

ではまた!お互い頑張りましょう。Good Luck!!

 
 

第二言語として英語を学ぶとき、その道に終わりはありません。達人は学び続けるから達人なのです。CONFIDENT & FLUENT SPEAKERになるためのヒントをこれからも探っていきます。

 

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