interview

ビジネスパーソンとして英語を学ぶ - 「勉強は仕事」ビジネスシーンで評価される英語を身に着ける!

2021年07月12日
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by Mayumi
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英語を使う仕事はいろいろありますが、英語4技能の中でも「スピーキング力」が必須の通訳案内士。彼らはどうやってその英語力を身に着けたのでしょうか? あなたが目標に到達するためのヒントがここにあるかもしれません。

 

本日のゲスト :YS(英語全国通訳案内士)

  • 全国通訳案内士(英語)
  • 地方育ちのため、高校を卒業するまで、外国人と会話の機会は一度もなかった。
  • 東京の大学入学後初めて英語を外国人と話したのは、電車の中で話しかけられた18歳の時。
  • ホームステイに興味を持ち、大学時代に英会話スクールに2年通学、カナダのバンクーバーにホームステイ2か月。
  • 大学時代の英語力の変遷は400点スタートで卒業時に650点
  • 社会人5年目で、MBA留学候補生に選ばれて英語の勉強再開。1年の学習期間を経て日本とアメリア両方のビジネススクール在学2年、合計3年のこの期間で英語力を鍛える。この20代後半での留学期間を経てTOEICは900以上に到達。
  • 卒業後、数年して転職し、現職で国内外の外国人同僚と英語でコミュニケーションする機会が増え、現在業務の第一言語は英語。(必要に応じて、日本人だけで打ち合わせする際は日本語を使う。)
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Q & A

  • 英語を飛躍的に伸ばした時期の目標設定は?(どの程度からどの程度へ?) また、その目標達成にかかった期間はどれくらいですか?

社会人5年目でMBA留学をすることになったので、必然的に受検のため実力を伸ばす必要に迫られました。それまでは英語で仕事をすることすら想像していなかった(海外旅行で困らないレベルでいいと思っていた)ので、完全に英語学習は留学がきっかけです。新しい語学の習得は、累計1000時間のリスニングをすると、飛躍的に伸びると脳科学の説明で教えてもらったので、それを信じてひたすら勉強をしました。

人前で、英語を話せると言っても大丈夫かな、と言えるようになったのは20代後半の留学準備、留学期間を含む丸3年間の成果だと思います。

数値目標はあまり立てませんでした。TOEICのスコアが真の実力を表すと思っていないので、自分が自信をもってコミュニケーションできるかどうかだけを意識していました。履歴書には900点超えていたら目に留まるかな、くらいの印象でしたが、数字は正直気にしていませんでした。

 
  • 一番英語を勉強していた時は、一日何時間くらいやっていましたか?

留学時代は、それこそ朝9:00の授業開始から、翌日の授業準備で朝の3:00-4:00まで勉強。お風呂とご飯以外はほぼ英語の読解、英語の議論、ネイティブスピーカーの話し方の真似、新しい単語・表現の習得、宿題、に費やしていましたので、1日10-11時間くらいは勉強していたと思います。

留学する前の受検期間は、仕事を深夜までやった後自宅で明け方まで毎日2時間、通勤でリスニング1時間、の3時間を月曜~金曜まで、土日は予備校で4時間、勉強していました。

 
  • そのときはどのようなことをやっていましたか?

TOEFLのリスンニングとCNN英語教材、GMATの数学・長文・文法、そしてAFNのラジオ教材を週4-5日、1-2時間精聴を繰り返しました。通販で良く宣伝されている聞き流しで覚えるというスタイルは、大人になってからの脳ではおそらく効果が薄いと実感していたので、意識して「流さずに精度高く聴く(精聴)」を心がけました。なので、疲労や眠気で、集中力が切れて正しく聴けてなかったらやり直して、そのあとシャドウイングを繰り返しました。シャドウイングを繰り返したら、その後は書き取り(ディクテーション)を繰り返し行いました。

 
  • 目標達成に障害はつきもの。どんな障害をどう克服しましたか。

上述のとおり、毎日の勉強時間の総量の多さと、睡眠時間の少なさという課題がありましたが、これはどちらも勉強が仕事と思って割り切りました。勉強して給料もらってる感覚にすり替えました。

睡眠時間が少ないので、体調を崩さないように飲酒はこの期間はかなり制限していて、確か土曜日の夜だけにしていました。その分、その時だけはそこで好きなだけ飲み食いして、1週間分の英気を養う感じでした。

しばらくすると、そのサイクルに身体と心が慣れてくるので、あまり障害という感覚はなかったですが、身体を動かしたり、好きな映画を観たり、たまに差し込む息抜きの時間は勉強のことを一切考えないという意識はしていました。

 
  • おすすめの教材や効果的な使い方があれば教えてください。

私は、難度の高い教材を試すのが好きなので、特にリスニングはネイティブがネイティブ向けに話すニュース教材(CNN, AFN) を多く使いました。そこで、スピードに慣れることが重要と感じていましたので、ネイティブの発音の音のつながり方、消え方、省略の仕方、を学んだうえで、ノンネイティブの自分が真似できる領域と、そもそも届かない領域の見極めをするようにしていました。

映画や海外ドラマは、あまり使いませんでした。ストーリーを楽しむことに気がいってしまって、ついつい字幕を見てしまうので、自分は向かないなと思ってました。(今は海外ドラマで英語の新しい表現方法を積極的に学んでいますが、当時はそこまで実力がなかったので、基本に忠実な教材を繰り返し使用しました。)

文法、読解に関しては、自分は英語5文形すら正しく理解できていないことに気づき、高校の文法参考書をやり直しました。文法エラーの訂正が点数アップで一番最初に効果が出ると聞いたので、テストの点に目標は無かったものの弱点補強としては一番効果的だったので、英文法をやり直しました。

リスニングと文法を地道にやっていたら、自然と読解力とスピードが上がっていたっと記憶しています。留学時は毎日ケーススタディーと参考書を100ページ以上読んで授業に備えなければならなかったので、ネイティブが1時間で終わるところが2時間以上かかりましたが、それでもそのうち、読むべきところと飛ばすところの判断がつくようになって、効率的に学べるようになっていったと思います。辞書は全て英語-英語(Thesaurus)を使っていました。できるだけ、日本語を読まない・英語を英語で理解するクセをつけていました。

 
  • 勉強のモチベーションが下がった時、どのようにモチベーションを上げていましたか?

リスニングとライティングは、成果が出るのに時間がかかると思っていたし実際かかったので、モチベーションが高い時の方が少なかったと思います。なので、あまり、やりたい・やりたくないとか考えずに、日課として生活に無理やり組み込みました。子供が嫌いな牛乳を毎日親から飲まされている感覚なので、そこでモチベーションを上げるような作業はあえて入れず、淡々とできることを毎日繰り返した。それだけだった気がします。その成果を活かせるようになったのは、何年も後だったので、そこではあの時やっておいてよかった、もっとがんばろうと数年遅れで英語学習の「継続」モチベーションが出てきた感じです。

何のために英語の勉強をしているのか、その目的がブレることなくはっきりさせておけばいいと思っていました。英語で経営を学んでおけばビジネスパーソンとして将来得だろう、より大きな機会が得られるだろう、というのがそもそもの目標でかつ勉強をしたきっかけでした。自分はその途中のモチベーションに気を配らなくても後の成果さえ良ければ嬉しいタイプなので、未来に起こるであろういいこと、充実感のために今は頑張り時、必要な苦労と割り切れる感覚なので、短期的なモチベーションを上げるご褒美はいらないタイプです。

 
  • 英語をお仕事で使えるレベルになりたいと思っている学習者へのメッセージをお願いします。

上記の通り、目的志向・未来志向がどれだけはっきりしてるかどうかで、日々の勉強を意味があるものにできるかどうかが決まってくると思います。

自分に合った学習法は自分にしかわからないと思いますので、長続きする方法、それも、「毎日休まずやれる方法」を探すことが大事かなと思います。

あと、仕事でつかえるレベルという期待値を、いい意味で下げたほうがいいと思います。ネイティブにはなれないし、なる必要もない。発音だってカタカナでもいい。ただ、正しく、丁寧に伝えるには基本が出来ていることが大事です。日本の英語教育は文法ばっかりでダメだったという意見もありますが、私はそんなことないと思います。基本を身に着けて、正しく書く、表現するということは、その人の英語が公的な場で信用してもらえることにつながります。

発音は綺麗だが話が冗長、書く文章もネイティブっぽい文体だが雑でエラーばかり、という感じよりも、非ネイティブであっても、ゆっくり丁寧に話し、平易な単語で正しく要旨が伝わるほうが、ビジネスで評価されます。ドラゴン桜の東大英語攻略方法と同じです。

なお、実際ビジネスの現場では実は、非ネイティブ間で英語を話すことの方が対ネイティブと話すよりずっと多いはずです。なので、決して完璧を求めないことです。綺麗な英語で話す相手とだけ仕事をすることはほとんどありません。中東、アジア、南米、の人とも英語で仕事をすると、様々なアクセントの英語を聞くことになります。そのとき、「完璧じゃない第二言語」同志で話すことのある種の楽しさ、面白さがわかってくると思うので、それはそれで良いものです。お互いに学べます。

一方、ネイティブと話すときは、次はその人のこんな表現を自分で真似してみよう、次使ってみよう、みたいな楽しみも見つけられると、次に別の人との会話で試すことができます。そのとき、「お、こんな気の利いた言い回しが自分もできるんだ」みたいな小さな喜びを得られるのもまた楽しいです。

毎日英語で仕事していますが、いまからネイティブレベルになれると思っていないですし、仕事を離れて洋画や英語の歌を完璧に理解できるわけでもなく、そこに特段のさらなる成長目標はありません。ただ、ビジネスで英語を流ちょうに使いこなせることで、自分のキャリア成長にはつながると実感したので、いまは無くてはならない必要なツールと思っています。 今日上手く話せなかったことは、練習して明日上手になりたいと思いますし、明後日はさらにもっと、と思ってます。留学を終えてから20年近くたちますが、今でも毎日3つずつ英単語を覚えて忘れてやり直しての繰り返しです。

英語学習に終わりはないので、自分もまだまだ勉強中です。

最後に、語学は話すことで身につくものなので、身に着けたその実力は声に出してたくさん使っていくことがとても大事だと思います。日本人は英語は得意でもいざビジネスの場ではシャイで話せないことで損をする人も多いです。

なので、間違ってもいいから積極的にたくさん話す度胸が、実は英語学習の成果を試す一番大事な要素かなと思います。

 

ゴールへの道は一つではありません。でもそこにはきっと何か共通点もあるはずです。あなたが実践的な英語を身に着けるための学習のヒントが得られるよう、これからも英語の達人をお招きしてお話を聞いていきます。

 

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